千曲盤来余話その69「LPレコード作法、スピーカーをフカフカ鳴らす方法」

スピーカーを鳴らす方法として、効果的な聴き方はないだろうか?
アンプのスイッチを入れたとき、特に真空管のものなど、すぐにはごきげんにはフル稼働してくれないことを経験上、承知している仲間はいないのであろうか?
盤友人は、最初のLPに、音数(おとかず)の少ないモノを選ぶことにしている。
ピアノソナタ、無伴奏ヴァイオリン・ソロ、チェロのもの、ヴァイオリンソナタ、ピアノ・三重奏曲トリオ、弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲、そして、ピアノ協奏曲や、ヴァイオリンコンチェルト、交響曲シンフォニーというようにLPレコードを聴いていくと、エイジングといって、スピーカーの鳴り方がフカフカしていくのだ。
フカフカ鳴るということは、どういうことなのか?
ピアノの独奏曲など、ピアノの余韻の音圧デシベルを上げることである。
ジャーンと鳴らしたときの余韻感が、密度の高い音になっているのか?である。
ピアノの独奏曲の名曲としては、シューベルトの即興曲や楽興の時、ブラームスの間奏曲、ショパンは、ワルツ、マズルカ、練習曲集エチュード、前奏曲集プレリュード、など名曲ばかり。バッハは、平均律クラヴィーア曲集、ゴールドベルク変奏曲・・・・・
ドビュッスィには、前奏曲集、などなど。
ピアノ独奏曲を鳴らす前に、ハープシコード、チェンバロのソロの音楽、ドメニコ・スカルラッティのソナタや、ラモー、クープランのクラブサン曲集など、鍵盤楽器で弾はじく音を鳴らすと、ピアノの時の音もご機嫌よく鳴ってくれる。
その次に無伴奏ヴァイオリンソロを鳴らすと、スピーカーは、よく振動してくれる。
シューベルトの五重奏曲・鱒を鳴らすと、コントラバスがアンサンブルに加わっているために周波数レンジが幅広く振動してくれる。さらには、ドボルジャークの弦楽五重奏曲。
いずれにしろ、音数の少ないモノから多いモノへと聞き進めることがキーポイントとなる。
交響曲も、弦楽器のサウンドが面白くなると、魅力一杯である。