千曲盤来余話その81「位相問題から、配置そして音楽までの論」

キングインターナショナルから最近リリースされた、ローラ・ボベスコ1983年演奏会ライブLPディスクを聴いて、歓んでしまった。
録音の楽器配置感が良く伝わって、すこぶる好ましいのだ。ピアノが舞台の奥、その前に独奏者のヴァイオリンが立っているのがいい。距離感が伝わるのである。秀逸の音盤だ。
これも、わが装置で言うと、フォノイコライザーの12AY7を、ロングプレートタイプの古いやつである、そのものに変換し、音蔵プリアンプの6SL7を、1940年代製のオールド真空管にチェインジした結果である。
その上、スピーカーのフィールド電源部、右チャンネルの極性を以前からのものを、逆に変更した。その結果、以前のものは逆位相であったことが判明した。
ここで言えることは、以前の右チャンネル違和感が、すべて、位相の問題であって、それが解決したということだ。
ヴァイオリン両翼配置の録音、そうあってほしいと聴くことによって、そう聞こえていたものもあった。ドボルジャークの弦楽セレナード、イギリス室内管弦楽団の1969年のラファエル・クーベリック指揮した、ドイツ・グラモフォンのステレオ録音は正解。
1974年のフィリップス盤レイモンド・レッパード指揮のステレオ録音は、違っていた。
そうです。弦楽器には、木の箱には、f字孔といって、隙間がある。両翼配置では、第二ヴァイオリンだけは、裏板を見せたものになっているのだ。
それが、生命線である。現在の大多数は、第二Vnのf孔を第一Vnとそろえているのだ。それを、右ステージ袖の配置、アルトにするのか、第二ヴァイオリンにするのかで、問題は異なった展開を見せる。
わがステレオ装置では、右チャンネルのホットとコールドという極性を変換することによって、問題の解決を導いてくれたことになる。
問題解決を通過してこそ、新しい地平が開けてくる。ますます、充実するオーディオ人生かな?!