千曲盤来余話その102「モーツァルトの室内楽、オーボエとホルン」

モーツァルト1756.1.27ザルツブルグ生~1791.12.5ウィーン没には、室内楽の名曲が多数ある。
オーボエ四重奏曲ヘ長調Kケッヘル370は、1781年ミュンヘンで作曲されている。
三楽章形式で、終楽章は、珠をころがすようなオーボエの演奏があって、軽快である。
弦楽三重奏ヴァイオリン、アルト、チェロに対して、オーボエが独奏している。
ドイツ・グラモフォン盤では、独奏にロータール・コッホ、アマデウス弦楽四重奏団員によるものがある。左スピーカーに弦楽器、右スピーカーでは、オーボエが活躍する。
ドイツ・エテルナ盤では、クルト・マーンの独奏、ウルブリヒ弦楽四重奏団員によるものがある。右スピーカーから、オーボエソロとチェロが聞こえてくる。
ヴァイオリンの定位置は、ゆるがない。その奥でチェロが聞こえると面白くなる。ズンとやって、その右手でアルトがツァッ、ツァッと合いの手を入れるのが聞こえ方として自然だ。左スピーカーでヴァイオリンとチェロ、右スピーカーでアルトとオーボエ。
ホルン五重奏曲、変ホ長調K407。1782年末作曲。これには、アルトが二本いる。
だから、左スピーカーに弦楽三重奏、右スピーカーにアルトとホルンが聞こえると素敵だ。
ホルンは、右スピーカー側にいると、演奏全体を包み込む響きで、壮大である。
モーツァルトは、ホルン協奏曲を四曲作曲している。
英国人奏者のアラン・シヴィルは、指揮者ルドルフ・ケンペとロイヤル・フィル、指揮者オットー・クレンペラーとフィルハーモニアオーケストラと、名録音を残している。
両録音とも、右スピーカーから第二ヴァイオリンの音楽が聞こえて、痛快である。
オーディオ装置が、グレード・アップすると、左と右のスピーカーが対話する音楽が印象的になってきて、面白味が増してくる。作曲家の腕の見せ所が鮮明ということである。