千曲盤来余話その103「話には、それぞれ前提条件がある・・・」

人が話をするとき、その人には、前提条件をもっていて話を始めている。
たとえば、ベートーヴェンの第5交響曲の話をするときには、あの運命は、などと話を始めるのだけれど、運命という楽曲名が通用しているのは特に、日本だけらしい。田園交響曲というのは、楽譜の表紙にパストラールシンフォニーと題名があるために、作曲者の指定であるといえるのだけれども、運命交響曲とはなくて、交響曲第5番ハ短調というのが実のところのようである。
作曲者が、弟子に対して運命は、かく扉を叩くと語ったという説明は、伝えられているところである。そこから、運命というあだ名が日本では、流布しているようだとの説が有力。
室内楽で、演奏者の多数派は、Vn、Vn、Vla、チェロという配置が現代での暗黙の了解だ。自然にそのように、イメージして演奏に取りかかる。
そこで、チェロがf字孔を尊重して、聴衆に正対する配置を考えるときVnVn、チェロ、Vlaのように配置する。
ヴァイオリンに裏板の意識がある演奏者達、現在では、古典四重奏団がとっている配置、オールド・ジャーマンスタイルは弦楽三重奏プラス第二Vnというヴァイオリン両翼配置のスタイルを取る。
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ1809.2.3ハンブルグ生~
1847.11.4ライプツィヒ没の16歳の時に作曲した、八重層曲変ホ長調作品20は、弦楽四重奏二つのための音楽である。二団体のためのものではなくて、モーツァルトのディベルティメント嬉遊曲のようというのが実際であろう。
ここで、演奏のための配置決定が難しい。特に考えすぎずに基本は弦楽四重奏の譜面台の配置、すなわち、四台を生かすと、VnVn、VcVc、VlaVla、VnVnという配置がイメージされる。そのような配置でのステレオ録音があるのか?
盤友人は未聴だ。