千曲盤来余話その127「ヴァイオリン制作者ストラディヴァリの話」

中学生の時分、音楽の先生から、あるヴァイオリン奏者の使用している楽器を、ストラディバリウスというのだと言われたことがある。ウスというのは、ラテン語化したもの。
その楽器の音色は、きわめて美しく、協奏曲の名曲は、メンデルスゾーンの音楽であったのだ。ベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキーときたら三大Vn協奏曲にあたるそうだ。もちろんバッハ、ハイドン、モーツァルト、タルティーニ、シューマン、ブラームス、ブルッフ、パガニーニ、ヴュータン、サンサーンス、シベリウス、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ハチャトウリヤン・・・
ヴァイオリン協奏曲の名曲は、多数有る。
北イタリアのポー河に臨む都市、クレモナがある。16世紀から18世紀にかけてヴァイオリン製作の名匠が、輩出した。
アマティ一家の繁栄に始まり、ストラディヴァリ、グァルネリ、ルッジェリと続く。
1535年頃から、1611年に76歳で亡くなったといわれているアンドレア・アマティは、創始者に当たる。彼の現存する楽器は、1551年レッテルのある二つだけだそうだ。当時、彼の製作楽器はフランス宮廷の管弦楽団で使用されていたという。
アンドレアには、アントニオやジローラモという息子、そして、ジローラモの息子に、有名なニコラ・アマティがいる。1596年9月3日生まれで、88歳まで生きたという。柔らかい音と同時に輝きのある響きを求めて、当時の音楽家の要求にかなった理想的なヴァイオリンを作った。彼の弟子に、アントニオ・ストラディヴァリがいる。彼は、魔術師といわれるごとく、素性は不明である。指導者を意味するゴート語が由来らしい。1737年12月9日に死亡しており、逆算して誕生年は1644年頃とされている。彼の詳細は不明で、12歳の時ニコラ・アマティに弟子入りしているとのこと。
ウォルフガング・シュナイダーハンは、1704年リービヒストラドを使用している。