千曲万来余話その255「リムスキー=コルサコフ、スペイン奇想曲をマゼールで聴く」

2014年7月13日、ヴァージニア州キャッスルトンで肺炎とその合併症により、指揮者ロリン・マゼールは、帰天されている。
1930年3月6日、パリ近郊ヌイイでアメリカ国籍取得していたロシフ出身の両親のもと、生まれた。まもなく、アメリカに帰国して、ロスアンジェルスで指揮者、ウラディーミル・バカレイニコフに指揮を学んでいる。その後ピッツバーグに移り、1939年には、ニューヨークで初めて、指揮をとっている。ピッツバーグ大学で学ぶとともに、オーケストラ見習い指揮者として経験を積み、1956年からメキシコ、南米で指揮活動を開始してアルゼンチンでは、最優秀海外指揮者に選ばれた。
1958年12月10日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、ロリン・マゼールとレコード録音を果たしている。曲は、カプリチオ・エスパニオール、スペイン奇想曲、作品34。
リムスキー=コルサコフ、ニコライ       1844~1908は、ロシア五人組の一人、
ボロディン、アレクサンドル・ポルフィリエヴィチ1833~1887
キュイ、ツェザール・アントノヴィチ      1835~1918
バラキレフ、ミリー・アクセイエヴィチ     1837~1910
ムソルグスキー、モデスト・ペドロヴィチ    1839~1881
ロシア国民楽派の祖、グリンカに続くペテルブルグを拠点とした彼らは、ロマン派音楽から、自国に伝わる民俗的音楽を土台とした創作活動を展開した。
R=コルサコフの管弦楽曲は、その管弦楽法、オーケストレイションが色彩的で、近代音楽の基礎にあたる。特にスペイン奇想曲は独奏楽器の扱いなど華やかであり、クラリネット、ヴァイオリンのソロなど、妙技を発揮するにふさわしい。そのリズム、ファンダンゴなど、聴いていて心うきうきさせられる。ラプソディは、狂詩曲といい、カプリチオは奇想曲と訳されている。
ストラヴィンスキーの、兵士の物語では、ヴァイオリンの独奏が活躍する。その演奏法、その根幹にリムスキー=コルサコフが手本になっているのでは?と思わされるところがあるし、さらには、春の祭典の管弦楽法にも親しいものがある。
マゼールは、リズムもキビキビとしていて、管楽器のきらびやかなこと、その刻印は1958年の録音からしてすでに感じられるから、その個性は、際だった異彩を放っている。
この夏、彼の三回忌を迎えたというのは、走馬燈のごとく、すぎさりしゆらのすけ・・・・・