千曲万来余話その269「ベートーヴェン、チェロソナタ第三番をフォイヤマンで聴く」を掲載。

9月10日は二百二十日にあたり、昨日は重陽の節句だった。九月九日は特別な日ということ。
スピーカーの位相問題、結線が明確でないスピーカーには注意が必要である。
ということで盤友人は、北の匠、KT師のお手をわずらわせ、テスターを使用してチェックして万全を期した。テレフンケンのV69、アンプのインプットボリュームバランスを左右とも調節して聴感上の問題を全てクリアした。
ベートーヴェンは作品5で二曲、そして作品69で第三番イ長調チェロソナタを発表している。
エマヌエル・フォイヤマン、1902.11.22コロミヤ・ウクライナ~1942.5.25ニューヨーク 「11歳で、ワインガルトナー指揮ウィーン・フィルとハイドンの協奏曲を演奏して絶賛されている。
ソロとしても、教授活動も続けていて、教育者として名高い齋藤秀雄も大戦前に、師事していた。
39歳、腹膜炎のため急逝、百万ドルトリオ、ハイフェッツ、ルービンシュタインとの演奏はレコードで聴くことができるのは、ささやかな、仕合わせである。
マイラ・ヘス女史1890.2.25ロンドン~1965ロンドン没Dameの称号を授与されている。美しいフレーズ、そしてタッチを持ち、フォイヤマンと演奏したチエロソナタは、極上の音楽が記録されることになった。
モノーラルカートリッジを使用した再生音楽は、截然とした音楽演奏提供されることを喜びたい。 フォイヤマンの音楽づくりは、息の長いフレーズにあり、ヴィロードのような艶のある音色を再生したあかつきには、オーディオ道、至福の一時である。
中低音域の充実した響きは、モノーラル録音の、特筆すべき一大特色である。
ベートーヴェンは、十曲のヴァイオリンソナタ、五曲のチェロソナタを作曲していると云うこと、その上での交響曲作曲、という大きな仕事を成し遂げている事実を忘れてはいけない。
人間として、充実した人生とは、その人の矜持によってそれぞれの世界となる。ステレオタイプというか、ある一枚の図面で描かれるような人生像は、うすっぺらというものであろう。音楽には演奏という再生芸術のごとく、オーディオという再生儀式の世界が広がり、密かな愉悦ではある。