千曲万来余話その628「ヘンデル、王宮の花火の音楽モーリス・アンドレとコシュロー・・・」

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 ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル1685.2/23中部ドイツ・ハレ生れ~1759.4/14ロンドン没、彼は大バッハよりひと月早く誕生し、更に9年長生きしていた。1706年イタリアのローマ、ナポリを経て1710年にはロンドンへと渡る。当然のことながら、コレルリやスカルラッティたちと交友し、数多くのイタリア風カンタータ交声曲を作曲している。1714年にはジョージ一世(ハノーヴァー選帝侯)が即位、1717年テムズ川にて水上の音楽が演奏されている。その後には王立音楽院で、オペラの作曲、歌手の世話などを任ぜられた。ちなみに、ベートーヴェン1796年作、見よ勇者は帰るの主題による変奏曲の音楽は、ヘンデルの歌劇マカベウスのユダの曲で、大相撲の優勝杯授与で演奏されている。
 「王宮の花火」は1749年ロンドン・グリーンパークで演奏された。全面的編曲のトランペット独奏、木管、金管合奏、パイプオルガンによるフィリップス1963年頃録音盤6570 599を聴く。モーリス・アンドレ1933.5/21南仏アレス生れ~2012.2/25南西仏バイヨンヌ没1951年パリ音楽院入学、以前は炭鉱夫でトランペット奏者の父親から修得、音楽院ではスペイン出身の名手サバリクに師事する。2年でプリミエ・プリ(一等賞=免許皆伝)獲得して卒業。60年前後から積極的なレコーディング活動にバロック、古典音楽を網羅して、フィリップス、エラート、DG、EMI録音など華々しい活躍を見せていた。73年初来日、衝撃の印象を与えている。フィリップス盤では、パリのノートルダム寺院で録音、弦楽のない管楽アンサンブルとパイプオルガンの壮麗な響きが記録されている。ノートルダム寺院は2019.4/15夕刻火災発生、仏大統領は5年以内での復興を宣言しているがCOVID19のパンデミック、資金繰りの不透明など課題山積している。1955年からパイプオルガン奏者はピエール・コシュロー1924.7/9パリ近郊サン・マンデ生れ~1984.3/5リヨン没享年59歳、1980年から国立リヨン高等音楽院長。
 王宮の花火の音楽では、序曲、ブーレ2拍子舞曲、ラ・ペ平穏にラルゴ、シチリエンヌ舞曲風、ラ・レジュイサンス歓び、メヌエット3拍子舞曲Ⅰ、Ⅱ。実に音響において残響音が豊か、長くデミュニエンドしていくのが余韻として実感できる。定位として左スピーカーにアンドレと木管、右スピーカーにはブラスアンサンブル、中央にパイプオルガンというドームの体感が記録されていて、再生する悦びは新年に相応しいだろう。晴朗なバロック音楽のピークであり、バッハとヘンデルが共存していた音楽といえる。彼らが奇しくも同年生まれというのは、象徴的、ヨハン・セヴァスティアン・バッハは国内から外出した記録は無く、以前は音楽の父ヘンデル、音楽の母バッハといわれていた。それが、現代日本では音楽の母ヘンデルという具合であるのはどのような成り行きであったことだろう。
 歴史の変遷には、相当な認識する注意が必要な態度といえることだろう。つまり、千曲万来余話では、ヴァイオリン両翼配置が語られ、元日、ウィーンから送り出される映像こそ時代の象徴、3月曜日Eテレ、ニューイヤーオペラコンサート阪哲郎指揮東京フィルは立派な演奏を披露、歌手たちの歌声は錦上花を添える雅やかさであった。チェロとヴィオラ=アルトが中央という時代を示していた。
 札幌は室温が10度位に下がるため石油ストーブなど暖房を入れる。特にカートリジは、電気行火を使用して温めると、低音域が豊かに再生されてパイプオルガンは華麗、雄大、典雅な音響を披露することになるから、生活の知恵を総動員してオーディオライフを謳歌していきたい・・・