千曲万来余話その671 「運命」とは? 秋夜空のプレアデス星団に眼を凝らせて・・・

 443光年のかなたに「すばる」は見えるのだが、この名前は清少納言の「枕草子」に由来すると言われている。プレアデスの和名は、その言葉の意味ではない。盤友人は今五つ、六つの星を数えることはできる。中学生の頃は、十位は目視出来ていた。ペルセウス座の東南方角へと現在では木星との半ば、おうし座とかアルデバラン星の近くに煌いている。夜10時頃、南南東仰角高度40度ほどに木星ユピテル(ドイツ語)英語名ジュピターを確認できる。10月2日月曜日深夜12:56頃に日本テレビは千葉県九十九里浜から土星と木星をアップ、リアルタイムでライヴ放映していた。
 リアルタイムで惑星をテレヴィジョンで放映されたことには驚き、感激、柔らか干し柿、ヘバラキは、ひまわり・・・
 10月7日土曜日札幌コンサートホールKitaraでハインツ・ホリガーはバルトーク曲、弦楽器と打楽器とチェレスタの音楽1934年作を指揮した。抜群の統率力を発揮して、楽団員から豊かな音楽性を引き出し、幸福感溢れる定期演奏会を実現した。84歳のマエストロはあと10年以上活躍するかもしれない予感をプレゼントされた如きである。ここで盤友人はある重要な目撃情報を指摘しなければならない。演奏会で第1と第2ヴァイオリンを並べて普通の演奏会なのだが、休憩15分を挟み、第1、2ヴァイオリンをステージ両袖左右に振り分け配置、舞台中央はアルト、チェロを配置してその奥が打楽器、チェレスタは下(しも)手。上(かみ)手配置にコントラバス。
 2022年10月ロンドン交響楽団キタラホール公演、サイモン・ラトル指揮は、この同じ配置で舞台奥中央にコントラバス横一列。何も特殊な配列ではなく、1963年大阪フェステバル公演に登場したピエール・モントゥー指揮した配置に準じたまでである。64年7月1日89歳で永眠したモントゥー、「指揮棒と80年」ドリス・モントゥー夫人による回想記、訳 家里和夫、音楽之友社刊1977年第2刷発行によると指揮者ウィレム・メンゲルベルク1871.3/28ユトレヒト生れ~1951.3/22クール(スイス)没との交流を表明している。
 彼はモノラル録音時代の指揮活動であったものの、残された映像によるとヴァイオリン両翼配置の弦楽演奏、すなわちチェロとコントラバスを上手配置ながらものモントゥー型である。現代の多数派第1と第2ヴァイオリンを並べる機能優先配置は、よってコントラバスが舞台上で指揮者の右手側に配置されることになる。
 んミミミドー(実音ソと♭ミ)んレレレシー(実音ファとレ)、- はフェルマータ延音、自由な「延ばし」でベートーヴェンの第5交響曲は冒頭、5小節で記譜されている。なぜかというと2小節目、4と5小節目は同じレの音タイで連結された延音記号フェルマータ。この拍節を止めた延音は、指揮者がタクト指揮棒により舞台上全楽員に認識を共有される。2回目のフェルマータを指揮者ブルーノ・ワルターは短めに切り上げている。
 ピエール・モントゥー指揮した運命の「音楽」第2Vnが右スピーカーで奏でると、左スピーカーから第1Vnが応答する。明らかに音楽の問題、すなわち、モノラル録音では、んタタタター、んタタタターという音響だけ。ステレオ録音であるとピエール・モントゥー指揮したロンドン交響楽団のものでは、左右感が音楽として認識される。だから両翼型という古典配置は、ピアノ音楽とは異なり舞台芸術といえるまでである。この楽器配置問題をハインツ・ホリガーは札幌の交響楽団でも実践、彼は既に両翼配置型でシューベルトの交響曲全集録音をリリースしている。つまり、モントゥーから始まり現在の音楽監督サイモン・ラトルに引き継がれる。ベルリン・フィルは楽員の国際性により、1940年代のVn両翼配置には、なかなか容易に回帰出来きれない事情がある。「多様性」という現代において、神髄運命とは・・・