千曲盤来余話その60「古い人の新しいのと、新しい人の古いのと」

オイゲン・ヨッフムのライブ演奏LPレコードボックスの封を開いた。
1986年ロイヤル・コンセルトヘボウオーケストラと、1982年バンベルグ交響楽団演奏会の録音だ。キング・インターナショナルのリリース。
ブルックナー、モーツァルト、ベートーヴェンの交響曲集である。
その中でも、モーツァルト交響曲33番変ロ長調K319に興味を惹かれた。昭和女子大学人見記念講堂。
ヨッフム1902・11/1バイエルン・バーベンハウゼン~1987・3/25ドイツは、1926年ミュンヘンフィル指揮デビュー、1932年テレフンケンに最初のレコーディングを開始しているという。日本への、SP録音デビューは、1937年とのこと。その評価は高いものだったらしい。
ブルックナーの交響曲全集は、ベルリン・フィルとバイエルン放送交響楽団のドイツ・グラモフォンのものと、晩年のドレスデン・シュターツカベレとのLPボックスがある。
それほどでも彼の音楽性を感じさせられる。
彼のモーツァルトのK319を聴いた。
まず、中低音域の豊かさに驚かされる。彼らの音楽は、その音域の音楽は感動を誘う重要な要素である。高音域のキレにしても、あたかも、38インチ2トラックテープ録音を聴いた感想に近いものがある。
ヴァイオリンが左のスピーカーから聞こえるのに対して、低音域は、明らかに右スピーカーから聞こえる。
ドイツ・グラモフォンのLPレコードでジェイムズ・レヴァイン1943・6/23指揮したウィーン・フィルのK319、交響曲第33番を聴いた。ウィーン・ムズィークフェラインの音響豊かな録音である。左スピーカーから第一ヴァイオリン、右スピーカーからは第二Vnが聞こえてくる。オールド・ジャーマンスタイルVn両翼配置の音楽である。
古い配置でも新しい音楽である。録音データは、くしくも、両者1986年9月とあった。